今回は、日本語教師として、実際中国の大学で教鞭をとられている先生から、中国での日本語教育に関心を持たれている方々に メッセージをいただきましたので、ご紹介いたします。
『これから中国赴任を希望される皆様へ』
センター派遣教師 | |
川崎正美先生
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以下の文章は、中国という広大な国で個人的に体験したことで、しかも大都会から遠く離れた東北部の郊外にある一私立大学での体験でしかありません。皆様のご参考にはならないかもしれませんが、少しでも何かのお役に立てればと願い、お目汚しの文章を書くことにしました。
昨年の8月末、黒竜江省ハルビン市の東方学院という私立大学に赴任することになりました。それまでは東京都立の工業高等専門学校で30年以上英語を教えていました。英語を教えてはいましたが、日本語を教える経験は全くありません。英語圏を中心に、海外へは何度も行っていますが、中国は初めてです。中国語も全く分かりません。右も左もわからない状態で、我ながらよく決心がついたと思います。
黒龍江東方学院キャンパス
ハルビン国際空港に着くと、中国人の日本語科の先生が出迎えてくれました。学校の車で1時間ほど揺られ、寮の部屋へと案内されました。その後日本人の先輩の先生にバスの乗り方やら買い物の仕方、日常生活に必要なことを数日で仕込んでいただきました。
授業は4年生と3年生の高級日語、3年生と2年生の日語会話を担当しました。1クラスの人数は30人程度。学生も私たち教員も敷地内の寮で暮らしています。授業は8時に始まりますが、教室まで徒歩10分、通勤にストレスは全くありません。敷地内に大きな学生食堂があり、朝食から夕食まで利用できます。教員の居室にはキッチンがあり、自炊も可能。授業は初めの内は戸惑いましたが、半月ほどするとテキストや教材にも慣れ、どのように授業を展開すればよいのか分かってきました。
生徒との食事会
学生は皆さん素朴で、とても友好的です。寮の自室で忘年会をやったり、食事会を楽しんだりもしました。持参した和服を体験してもらったり、中国のコスプレのイベントに連れて行ってもらったり、授業以外のところでもたくさん日本語を話してもらいました。なにしろ私は中国語を話せませんから。スピーチコンテストに向けての特訓もよい思い出です。
10月中頃から一気に気温が下がり始め、冬場は-30℃の日が続きます。この厳しい冬が終わると、すぐに柳絮が舞い始め、市の花・ライラックが開花します。学生や中国人の先生方に恵まれ、生活にも慣れ、もう一年この学校で教えることにしました。政治ではできない部分で日中の理解を深める、現場での仕事は大変やりがいを感じます。多くの皆さまがこのプログラムに参加されるよう祈っています。
コスプレイベントにて
今回ご協力いただいた 川崎正美さんを紹介します。
高等学校、高等専門学校の英語教師としてご活躍された後、社会貢献に携わりたいとの思いで、当センターの派遣プログラムに応募されました。 |
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