公益財団法人日中技能者交流センター(HRsDアジア財団)は、設立初期の1989年から「外国人技能実習生」の受入れを行っています。
技能実習生制度は、2010年7月に外国人技能実習制度が大きく変わりました。技能実習生は受入れ企業(技能実習実施機関)に配属されたその日から「賃金が支払われる労働者」として、日本の生産現場の進んだ技能等を修得・習熟する事と定められました。その後、いくつかの追加改正(2012年:7月と11月)に行われました。それは、「出入国管理及び難民認定法」とその省令を法令根拠として実施されてきました。
それが新たに制度の基本法として「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」が2017年11月より施行されました。
技能実習制度の目的は、日本の企業に発展途上国の若者を中心に技能実習生として受け入れOJT(実際の仕事を通じて指導し、知識、技術を修得する)手法を生かしながら帰国後母国の経済社会発展に役立ててもらうことを目的とした公的制度です。当センターのような日本側受入れ団体(監理団体)は、この間、中国の全国組織の送出し団体と強い絆を結び、また日本国内の監理体制の構築にも注力しており、安定した技能実習生の招へいと、全国の受入れ企業への配属を実施してきました。この間、中国からの技能実習生に加えて、ベトナム、インドネシア、ネパール、フィリピンなどの技能実習生を受け入れ、技能実習生の人材育成に貢献してきました。
技能実習生は、過去の研修生と異なり受入れ企業(技能実習機関)に配属されたその日から「賃金が支払われる労働者」となり、日本の労働関係法規(労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害保険法、最低賃金法、雇用保険法等)や健康保険法、厚生年金保険法等の社会保険関係法規が日本の労働者と同様に適用されます。
当センターのような「監理団体」の役割も変化し、従来以上に責務が重くなりました。2017年施行による制度では、監理団体は技能実習生の在留期間すべてについて監理責任を負い、帰国するまで受入れ企業を定期的に訪問し、その実習・就労・生活状況等を確認し、外国人技能実習機構、入国管理局へ報告することが義務づけられています。また、受け入れた技能実習生を対象とした相談窓口の常時開設と相談員(技能実習生の母国語対応)の設置が義務づけられいます。
技能実施先(企業)や外国の送出機関についても、特に技能実習生の人権に対する配慮が強く求められています。従来から禁止されていたパスポートや預金通帳、在留カードの預かりなどに加え、さらに技能実習生や親族等からの保証金の徴収や損害賠償の取り決め等の禁止が明文化されています。こうした技能実習法に違反に対しては監理団体の許可、技能実施先(企業)の認定が取り消されるなどペナルティーも強化されています。
実習指導内容については必ず記録を保存し、内容に変更が生じた時や事故等があったときには入国管理局への早期の追加監査等も行っています。
外国人技能実習生制度について(2022年1月時点)