中国派遣日本語教師 | |
(1)日本語教師になるきっかけとなった出来事について具体的に教えてください。 中国全般への関心→「戦争時の中国残留孤児」来日家族への日本語指導ボランティア→教える事の難しさと自分が「日本語を勉強する必要性」を痛感→中国駐在時に余暇を利用して、「日本語教育能力資格試験」に挑戦(独学なので、“3年″かかり、3度目の試験で合格) (2)どんな学校で日本語を教えていますか。 福建師範大学・外国語学院:創立1907年(名称、組織の変更を含む)、約100年余の歴史を持つ、「省立」大学。(日本での「国立大学」に近い)福建省内では、アモイ大学、福州大学に次ぐベスト3、全国的には、「ベスト100大学」に(ギリギリで)入っている。 (3)福建師範大学の日本語学科の学生たちについて教えてください。 ・学生の勉強ぶり:
・学生の学校生活について教えてください。
・学生との交流の様子について教えてください。
小生は、他に、温泉日帰りツアー、
市内観光の「ガイド」依頼等を実施。
共に、若干の費用をこちら持ちで、学生に計画作りをしてもらった。2015年9月〜には、「テニス同好会」を立ち上げる算段中(経験者が無く、小生が「下手なコーチ」の予定)。4年生からは、「飲み会」の誘いもあり、「ご招待」を快く受けた事もあり。運動会などの際には、稲荷寿司と巻き寿司を差し入れした。上記市内観光や、「北京交流会」の際のオリンピック公園の土産物(小物で安い物)等を、授業の際希望者(ジャンケンの勝者)にあげて「人気取り」に努めている。先生によっては、「自宅でのミニパーティー:一緒に食事作り」をしている。 4)担当された授業において、津田さんなりに工夫されたことを教えてください。(他の日本語教師を共有したい情報など。) 小生は、クラス授業の教師初体験者の為、25人の「どのレベル」に合わせるか若干戸惑いがあった。幸い、全体が平均して優秀なので困り果てる事は無かったが、ともすれば、「優秀な学生」とのコミュニケーションになり勝ちなので、それを避けるように努めた。 (5)日本語教師としてお仕事をする上で、大切にしていることを教えてください。 (大げさですが・・・)日本人の代表として恥ずかしくないようにする。←学生達は「津田先生」を見て、日本人を捉えるのだから・・・。 (6)日本語を教える「やりがい」や「苦労」について教えてください。 どちらも「日本が好きな人を育てたい」の一言に集約されると思います。一方で、「大学入試の制度上の関係で、本当は他の事を学びたかったが、好きでもない学科に割り当てられて、やる気が無い」学生もいるので、彼らに、「言葉の勉強」、「日本語」、そして「日本」を好きになって貰いたいとするのが、精神的な「苦労」でした。 (7)中国赴任中において、一番熱心に取り組んだことについて、教えてください。 学校の教師1年生の小生は、頭をあちこちにぶつけながらの、そして先輩F先生のアドバイスもいただきの1年で、自慢出来る様な物はありません。強いて言えば、学生達に、「視野を広く持て」、「何事も”疑って“自分が納得出来る事を信じろ」と勧めて来た事でしょうか。 (8)中国滞在中、授業以外にどのようなことをしましたか? ・地元「日本企業会」への参加。⇒他の日本語教師の方へもお勧めします。情報入手が可能、就職支援の一環で、「企業見学会」の実施のコネ作り等、メリットがあります。 (9)中国で日本語教師として働いた経験から印象に残ったこと (最近の日本の大学生の生活はわかりませんが・・・)中国の学生は大変よく勉強します。教師に対する尊敬も「昭和時代」並です。大学や企業の入学/社式に親が付いて来るような日本人学生は、間違いなく遠からず「勝てない」ようになるでしょう。 (10)中国で日本語を教えることに興味を持っている方にメッセージ 中国は、「漢字圏」、「箸を使う」、「米/麺を主食とする」、「儒教と仏教」等々諸外国の中で、日本と共通の文化が多い唯一の国です。 以上 |
今回ご協力頂いた 津田茂(つだ しげる)さんを紹介いたします。
元会社員。「外国人学生の日本語能力の向上や日本文化への理解を深め、一衣帯水の隣国である日本と中国の友好関係に寄与できる人材育成を行いたい。」との思いで、当センター派遣プログラムに応募。2014年度研修(当センター主催)修了後、福建師範大学(福建省)に赴任。日本語教育に従事するとともに、現地では日本企業会とも積極的に交流し、学生と企業の仲介役として、就職支援等を目的とした交流の機会を確保し、企業見学会を実施するなど、日本語教師として幅広く活動しています。 |
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