2014年度中国派遣日本語教師 聊城大学 森下 昌治
3月上旬、北京で開催された経験交流会に参加しました。
交流会は、先ずマナー研修、日系企業紹介といった新事業の紹介から始まりました。これらは、学生に正しいビジネスマナーを身に着けさせ、日系企業に送り出すことを目的に、センターが新しく始めたものです。中国は広く、今後の展開には難しい面も多いと思いますが、軌道に乗れば当センターや教師派遣の評価もより高くなるものと期待しています。
交流会のハイライトは、松下先生、永井先生による経験発表でした。
松下先生のパワーポイントを使ってのご説明は、非常に分かりやすく、共感できる点が多くありました。特に、音読の難しさや、意外に読めない漢字の多さは、普段の指導で常々感じていましたので、今後の授業の参考になりました。
永井先生からは、学生との食事会や雑談会、また他大学、地域を巻き込んだ交流会等、先生のリーダーシップのもと実践されている活動の報告でした。先生がおっしゃるとおり、日本語で考える習慣は、これら楽しく学べる活動を通して身に着けさせるのが最良の方法だろうと思いました。
引き続き行われたフリーディスカッションでは、特に大学院への進路指導が印象に残りました。私の大学でも大勢の学生が大学院への進学を希望していますが、私自身は進路指導や情報提供を行ってきませんでした。そのため、多くの先生が情報提供や進路指導に尽力されていることに正直驚かされました。休暇帰国中に直接大学を訪問し、留学生受入についてのヒアリングを行い、それを学生にフィードバックされている先生もいらっしゃいました。私たち日本人の日本語教師には、言語の指導だけでなく、日本の大学の情報収集と提供が期待されていることを強く認識することができました。
また、多くの先生方が大学の枠を超えて日本企業や地域との交流の場を積極的に設けていらっしゃることにも刺激を受けました。これらの活動は、日中の架け橋という意味で、非常に意味深いものだと再認識させられました。
交流会は、内容、運営両面において十分満足の得られる会だったと思います。
多くのご意見を聞き、刺激を受けました。自分自身のモチベーションがアップしたことは言うまでもありません。技術面でも多くのことを学ばせていただきましたが、それが一番の収穫でした。
欲を言えば、共通の関心事である「授業の進め方」について、もう少し具体的に学ぶ機会があればなお良かったと思いました。
例えば、日本語会話、作文、日本概況等に関する授業の進め方をテーマに、教案をベースに意見交換をする等です。このような機会があれば、特に経験の浅い私にとってはより効果的に実践的な手法を学べると思います。
交流会参加の機会をいただいたことに深く感謝し、以上所感といたします。次回の開催を楽しみにしています。
経験報告をする教師
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