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「大きな北京」と「小さな北京」と

 週末に主人の車で母親と共に外出した。高速道路の様子と高層ビルを見ながら、脚が不自由で久しく遠くまで出かけられなかった84歳の母親はとても感慨深かったようだ。「北京の変化がこんなに激しいとは。この北京生まれ北京育ちの私でさえ分からなくなった」と繰り返していた。
 北京は確かに急速に変わって、益々大きくなっている。昔の北京では、旧北京城は故宮を中心にして二環()以内が城内になる。二環は元来旧北京の城壁で、二環を出れば城外になる。新中国が成立した後、北京の都市規模は拡大され続けてきた。三環、四環、五環が次々に現れるようになった。今現在、五環以内は城内で、五環を出れば城外になる。二環以内の面積は62.5平方キロで、三環以内の面積は159平方キロ、四環以内の面積は302平方キロ、五環以内の面積は667平方キロである。五環以内の面積から計算すれば、今現在の北京城は旧北京城より10倍以上大きくなったことになる。北京の行政区の面積は1.641万平方キロで、これは郊外を含めた面積である。
 北京は「大きく」なった。と同時に、公共交通の発達により、北京は「小さく」なったとも感じている。母親の話では、一般の人々は、昔は殆ど徒歩で外出し、お金持ちの人だけが人力車に乗ったそうだ。新中国が成立する前には、北京には公共バスが少なく、距離も短く、線路も僅か七つしかなかったため、城外へ行くことは容易なことではなかったそうだ。今現在、北京の公共バスや地下鉄などは急速に発達し、自家用車も年々普及している。これを数字で見れば、2014年北京の公共バスの運行距離はトータルで13.27億キロで、毎日地球を90周以上走り回る距離に相当する。北京の地下鉄も18本になって、総延長は527キロである。個人乗用車の保有量は537.1万台である。
 道路事情の整備に伴って、人々の外出は益々便利になって、活動の範囲も広くなった。この結果、週末になると、北京周辺の高速道路はよく渋滞するようになり、人々は長い車の行列を作って郊外旅行に出かけて行くので、北京は、「小さく」なったとも言える。
 北京は大きくなったことに伴って、人口急増、交通渋滞、環境悪化、資源不足などの大都市病が益々ひどくなっている。これは、今後北京が発展する中で克服しなければならない課題である。2014年2月に発表した京(北京)津(天津)冀(河北)共同発展計画綱要に従って、今後北京は、天津市と河北省へ産業を移すとともに、人口を分散させ、公共交通施設をより良く整備する計画である。その時、北京はもっと大きくなるだろう。
 そして、公共施設やインターネットの発展に伴って、北京の人々の生活はもっと便利になるはずである。

※環…環状道路のこと

(清涼茶)

 

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