第45回理事会、第29回評議員会を開催
22年度事業報告と決算報告が承認されました
6月9日に理事会、6月26日に評議員会が開催され、22年度の事業報告並びに決算報告を主な議題として審議の上、満場一致で承認されました。
当財団事業の中核を占める人材育成事業においては、技能実習事業に関する新規受入れ人数が回復基調であること、特定技能支援事業の支援人数がほぼ倍増していることなどが報告されました。
いっぽう財政状況については、21年度を中心に政府が行った新型コロナ感染症に係る外国人の出入国制限による在日人数の減少という状況は、大きな影響を残しており、状況の改善に向けて23年度の取組をいっそう強化することを確認しました。
評議員会、理事会であいさつする岡島理事長
第2回中国人日本語教師オンライン研修会を開催
中国各地の日本語教師88人が受講しました
中国人日本語教師スキルアップ研修会を今年もオンライン上で開催しました。
オンラインでは、昨年に続き2回目の実施となります。講師は、昨年と同様、日本語のスピーチのスペシャリストである笈川幸司講師です。7月27日から5日間3時間研修会を実施しました。今回は、中国各地の大学や学院等の日本語教師を中心に日本語専攻の学生達88人が受講しました。
今回の研修会開催にあたり、中国科学技術部、中国国際人材交流協会、各省ご担当者や学校機関等に全面的な協力をいただきました。感謝いたします。
さて、今回の研修会の特徴は、教科書通りの授業ではなく、グループ討論や、スキルを自ら体験することにより日本語能力を定着させるという実践的な授業です。笈川講師独自の「笈川メソッド」を活用し、型と型の間に自分の話したいことを挟みこみ一つのスピーチにします。このようにして、笈川メソッドを使用して繰り返し練習することにより、短かったスピーチが、どんどん広がり沢山話せるようになります。
受講者は、画面の前で笈川講師の講義を聴きながら練習し、グループにわかれ、ディスカッションや発表の練習をします。最後に、講師から指名されたら全員の前で発表し、その発表に対する意見を聞きます。研修会では、日本人らしい日本語の習得方法、スピーチコンテスト等の作文表現、学生を自信に導くほめ方や面接対策等を実践しました。他にも、ADHG等発達障害の生徒への対応や叱らない子育て等心理面や教育面等さまざまな課題について触れ、受講者は自らの考えを発表しました。研修会を終えた受講者には、主催である当財団と中国人材交流協会の名で履修証明書を授与しました。
来年度は、新型コロナウイルスの状況を見極めつつ、オンラインに加え、中国現地での研修会開催も計画・検討をしていきます。
受講者はオンラインで参加
歳時記
ネパールの文化と特徴
ネパールは、中国とインドの大国に挟まれ、海に面していない東南アジアの国です。標高8,848mのエベレストを国土に持つネパール(首都カトマンズ)は中国の南部に位置しています。エベレストのトレッキング等多くの観光客が来られますが、他にもネパールの独特の文化、特徴がたくさんあります。
ネパールの食文化ですが、土地柄・インド料理・中華料理・チベット料理が融合され独自の食文化が育ったネパールの料理はインド料理ほど香辛料が強くなく、日本人の口にも合いやすいのが特徴です。カレーやダル(豆の煮物)に、野菜炒め、主食はネパール独特の米のご飯か、チャパティーが通常です。肉は鶏肉、ヤギ肉などが非常に有名です。牛を神様としているので牛肉は食べられません。食事をする時は箸やスプーンなど使わず、神聖な右手で直に食べるという文化があります。
当財団は、新たにネパールの若者たちの受け入れを開始しました。
現地送出し機関から送っていただいたお国柄レポートを連載でお届けします。
ふれあい! 日本
「ふれあい! 日本」は、技能実習生の皆さんが「技能の習得」と同時に学んでいる「日本文化への理解」「日本語の習得」について、受入れ企業において実践されたとりくみを好事例として紹介しています。第3回の今号では、「巨大銭形の砂絵」「ガタリンピック」に参加した皆さんの奮闘をご紹介します。
香川県観音寺の「金運スポット」⁉
うどんだけじゃない、観音寺市には銭形砂絵「寛永通宝」があります。
有明浜に描かれた砂絵は、東西122m、南北90m、周囲345mの巨大物です。
寛永十年に藩主 生駒高俊公を歓迎するために一夜で作られたと言われ、見ると健康で長生きし、お金に不自由しないとの諸説あり。
毎年、春と秋に市民の協力による砂絵の化粧直しが行われます。4月29日にベトナム人実習生と通訳さんが地域社会との交流として砂ざらえに参加との話を頂きました。
いざ、砂絵の中に入ると見渡す限り高い砂の壁に囲まれ、人力で砂をかき上げるもどこで何をどうしているのか見当がつかない状況ですが、全貌は、山頂の銭形展望台より眺めて初めてわかります。
日々の工場内での作業から、野外での作業は大いに気晴らしになったのか、みんなの笑顔が印象的でした。
日本での様々な経験が、実を結ぶように企業さんも私達も応援しています。
集合した実習生たちです
人力で砂をかき上げます
「砂ざらえ」に参加しました
銭形砂絵の全景です
佐賀県鹿島「ガタリンピック」に出場しました
この度、佐賀県鹿島市で毎年初夏に行われるスポーツイベント「鹿島ガタリンピック」に出場しました。2023年6月4日(日)に4年ぶりの開催となり多くの団体や企業も参加しました。日本一干満の差が大きい(6m)広大な有明海の干潟を利用した、干潟の上で行うさまざまな競技が行われるユニークな運動会がガタリンピックです。県内外や海外15ヶ国から約60人を含む約1,500人が競技に挑んで、約25,000人の観客の声援で盛り上がっていました。㈱サンデリカ佐賀事業所も従業員とともに実習生(3期生)の8名が競技8種目の内、女性限定の個人競技のHAKKEYOIに出場し、丸い発砲スチロールの上に10名が押し相撲で、お互いに押し合って最後に残った一人が勝ちです。
最後に残った一人から勝ち上がるトーナメント制で優勝までには8回の戦いがあります。初戦ではゴック・アインが勝ったと思いましたが先に手を付いていたため反則で失格となり、ティ・フーンが繰上げで残りました。その後は勝すすめることが出来ませんでしたが、全身泥まみれで楽しむ姿に同僚も歓声、拍手を送っていました。地元のケーブルTVからのインタビューで感想を聞かれて「ルールも分からないまま参加して楽しかったです。いい思い出となりました」とのことでした。
この出場によって、地域社会とのふれ合いの日となりました。
泥だらけとなった実習生6名。
右側から赤いシャツ「グエン ティ チュック ザン」、ピンクシャツで両手ピース「グエン ティ アイン」、ピンクシャツ「レー グエン ゴック トー」、黄色シャツ「グエン テイ ホン ニュン」、緑シャツ「ドー レー ゴック アイン」、青いシャツ「グエン ティ トゥ スーン」
開始前はまだきれい
始まるとたちまち泥だらけ
丸い台座の上で
※ガタリンピックは40年前から開催、今年で39回、会場「道の駅 鹿島」、屋台も出店、報道取材、前回も1期生が参加しました。
次回予告!
愛媛県は砥部焼が有名です。日本語学習(日本文化を学ぶ)として今井タオル(株)配属の実習生が、5月30日(火)にさくら学習センターにて職員の指導のもと絵付け体験をしました。次号に参加者の作文を紹介予定です。
地方駐在員だより
日本社会との共生の一助として
大阪駐在 下 二朗
皆さま、こんにちは。
私は、23年間の労働組合の専従役員を経て、2023年4月よりご縁をいただき、日中技能者交流センター大阪事務所でお世話になっております。皆さまと一緒に働くことができ感謝申し上げます。
私は、二つの事業所で外国人技能実習生90名、特定技能外国人15名を担当させていただいており、まだ監理団体駐在員としての経験は数カ月しかありませんが、慌ただしくも、充実した毎日を迎えさせていただいております。
労働組合での経験においては、労使関係に長く深く関わって参りましたので、企業側と実習生側の二つの視点にたったサポートができるのではと日々の業務に取り組ませていただいているところであります。
この数カ月の経験ではありますが、技能実習制度には課題も多くあると感じておりますが、外国人技能実習生や特定技能外国人の人権や福祉を尊重し、日本社会の中で共生できる一助となれるよう取り組んでいきたいと思います。
企業主催の将棋講座の風景です
技能実習情報掲示板
令和5年度(2023年度)地域別最低賃金改定状況
令和5年度(2023年度)地域別最低賃金は各都道府県の最低賃金審議会が答申を終えた。全国平均で1,004円、引き上げ額43円、増加率4.5%となった。今年の引き上げの背景には最近の物価高、労使交渉による賃金引上げ結果、国際的な動向などが反映された様子である。また、今年度より経済実態による全国区分を3ランク(A.B.C)に再編された。Aランクは6都府県、Bランクは28道府県、Cランクは13県となっている。発行日は10月1日としている都道府県が全体の6割を占める。
令和5年度(2023年度)地域別最低賃金 (答申状況)
一ツ橋
急激な人口減少が進み、誰もが未経験な社会に突入しているが、歯止めをかける具体的な施策は策定されていない。地域では、深刻な人手不足のため、企業経営にも大きな影響を及ぼしている。私たちは、外国人技能実習生や特定技能で働く外国人も含め多様な人材が、活き活きと働ける環境を、労働条件を、お互いに知恵を出し、より良い職場環境にしていくことが急務である。
また、中長期な視点で、人種、国籍、性別、年齢、障がいの有無、雇用形態など多様性・価値観をお互いに認め合い、基本的な人権をベースにおいた「ディーセント社会」を、「働き方」を、「社会保障」をそれぞれの立場を乗り越え、意識を変革し、新たな社会の構築に向け、チャレンジをしていく必要がある。「一人ひとりが人間らしく心豊かに生きていく持続可能な社会」を目指して。
(蜂)
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