第41回・第42回理事会、第27回評議員会を開催
コロナ禍対応に尽力した1年を総括
2021年度事業報告と決算報告を承認
2021年度事業報告と決算報告を中心に審議する会議として、6月10日に第41回理事会、27日に第27回評議員会が開催されました。今回の会議は、コロナ禍対策としてZOOMを活用して進行し、所定の議題が全員一致で承認されました。
2021年度は新型コロナ禍による外国人の入国規制が続けられた結果、国際交流を中心とした当財団の事業実施に大きな影響を及ぼしました。事業報告ではコロナ禍で人材育成事業を展開する困難さが報告され、なかでも技能実習生の新規入国者数は実質的にはゼロ名に終わり、当財団の経営基盤にも大きな影を落としています。一方、日本国内における技能実習生、特定技能生の採用を積極的に進めた結果、21年度決算はプラスの収支で終えることができました。
また、今次評議員会は、理事、監事の任期満了・選任の時期に当たるため、審議の結果、理事・監事につき、1名の交代を除き全員が再任されました。続いて開催された第42回理事会においては、岡島理事長以下の常勤役員が、引き続き選任されました。
理事・監事の選任・交代者(※印は前または元職)
理事
再任 岡島真砂樹 教職員共済生活協同組合 理事長
新井 力 日本労働組合総連合会 総合国際局長※
鮎澤 和之 全日通労働組合東京支部 執行委員長※
中小路 寛 株式会社 遊学舎※
永井 秀治 全日通労働組合 中央書記次長※
黒沢 一夫 公益社団法人 神奈川県地方自治研究センター 理事長※
塩田 正行 公益財団法人 国際労働財団 常務理事※
大谷 一平 公益財団法人 日中技能者交流センター上席部長※
石田 昭浩 全国労働者共済生活協同組合連合会 常務執行役員
寺門 勉 全日産・一般業種労働組合連合会 会長
元林 稔博 公益財団法人 国際労働財団 常務理事
難波 淳介 全日本運輸産業労働組合連合会 中央執行委員長
村木 太郎 大正大学地域構想研究所 教授
新任 山森 勝利 旭東ダイカスト株式会社 代表取締役社長
退任 山森 一男 旭東ダイカストグループ 会長
監事
再任 小熊 栄 日本労働組合総連合会 総合総務財政局長
細野 誠一 公益財団法人 総評会館 専務理事
あいさつする岡島理事長
大きな成功を収めた中国人日本語教師研修会を開催
オンライン形式で146名が参加
中国人日本語教師スキルアップ研修会をオンラインで開催しました。今回吉林省の大学・学院で、受講生が参加しやすいように学校が夏休み中の8月8日から12日までの5日間、日本時間午後8時から10時半までの時間帯で設定しました。
当初20名程度の参加を予定していましたが、想定を大きく超えて最終的には37校146名の日本語教師が参加しました。
研修会の開催にあたっては、中国国際人材交流協会とその公司をはじめとして、山東省と吉林省の科学技術庁や国際人材交流協会の全面的なご協力をいただきました。また、講師には、日本語教育の世界で著名な笈川幸司氏をお招きしました。
研修会初日には、主催者挨拶に続いて、ネイティブスピーカーらしい発音とアクセント、2日目、3日目は、笈川流「型」の活用、4日目、5日目は、スピーチの仕方や、面接対策、小論文対策等の演習を行いました。
この研修会は、2019年12月29日に当財団と中国国際人材交流協会が結んだ協議書に基づくものですが、この間の新型コロナウイルスの世界的な感染により実施が延期されてきたものです。現在、日本でもコロナ感染の第7波に襲われており、今後の見通しも立たない状況の中で対面式でなくオンラインによる研修会の可能性を関係団体と探ってきました。
研修会は、大きな成功を収めることが出来ましたし、その反響の大きさと関心の高さは、ウイズコロナ時代のこれからの研修会の在り方を示唆するものとなりました。
5日間大盛会の研修会でした。受講修了者には、後日、「修了証書」が授与されます。
笈川幸司講師
日中技能者交流センター 新井力 副理事長
中国国際人材交流協会 夏兵 副主任
地方駐在員だより
愛している日本で8年
大阪駐在 程 一軍
中国大連から来た白金濤さんは今年で、もう日本でまる8年(同じ広島の某造船会社で技能実習1号、2号、3号、造船就労、今の特定技能実習1号として)頑張ってきました。
この8年間、白さんは日本語N2級試験に合格できた上に、溶接専門級試験、床上クレーンなどの資格試験にも挑戦して成功しました。
愛している日本で8年も努力してきたことには家族の理解と支持がなくてはできないことです。中国へ一時帰国していた期間も含めて12年経ちましたが、日本入国当初の日本語の先生がまだ白さんのことを覚えていてくれたことに感動しました。白さんの日記の言葉「人間に来世があれば、また今の妻と一緒に来世を送る。」に白さんの気持ちが表れています。お疲れの奥様にもありがとうね!
溶接の腕をみがく白金濤さん
後輩に技術指導するまで成長しました
歳時記
ベトナムの秋
ベトナムの秋といえば、ハノイの秋でしょう。
ハノイの秋はなぜ特別なのでしょうか?
秋が来ると、道路は黄色い葉と恍惚とした香りで覆われます。並木はとても美しく、風のささやきとかすかな香りがします。
広く風通しの良い歩道と黄色い葉が散りばめられた豊かな古い木々、秋にこれらの通りを歩くと、詩的で平和で夢のようなシーンが生まれます。
ハノイのユニークな秋の特色は、ロマンチックな通りに沿って花を運ぶ自転車です。この光景を見るととても愛らしく感じます。
ハノイの秋と言ったら、ミルクフラワー(hoa sua)です。他ではめったに見られない、非常にユニークな美しさになっています。開花期には、どんなに無意識の人でも、五感を呼び覚ますような情熱的な香りを味わえます。
ハノイの秋の料理といえば、コム(com)が有名です。
ハノイの秋を代表する「若い米」です。十分に実る前の若い稲から獲ったお米で、とても柔らかくて色は緑です。
(ベトナム送り出し機関E社)
一ツ橋
技能実習制度見直しへ政府有識者会議を設置
❶外国人労働者は昨年末時点で 173万人日本に在留し、2008年の49万人に比べ13年間で3・5倍以上に増えました。その内技能実習生は約35万人と毎年増加しています。
❷この技能実習生制度は日本の技能、技術を発展途上国へ移転を図り、その国の経済発展を担う人材を育成する目的で1993年に始まり、2017年11月に技能実習生の保護を重点に見直され現在に至っています。
❸また、2019年4月に我が国における少子高齢化による労働人口の減少を背景に、経済社会の活性化や国際化を図るとの観点から特定技能制度が創設されました。
❹現状この二つの制度が併存していますが、色々な課題が包含されていることから政府は両制度の抜本的見直しをすべく有識者会議を設置し検討に入りました。
❺総務省の人口動態調査で2022年1月1日の日本の人口は昨年比約62万人減少、13年連続の減少となっています。少子高齢化が進む中で外国人労働者に頼る構造はますます強まり、海外からの人材を日本社会としてどう取り込んでいくのか、既に35万人在留している技能実習生が展望の見えるよう、そして現実を見据えた建設的な見直しを期待し当センターとしても注視しているところです。
(永井)