第40回理事会、第26回評議員会を開催
困難と希望が錯綜する時代に向けて
2022年度事業計画と予算を決定
2年に渡り新型コロナ禍による外国人の入国規制が断続的に続けられた結果、21年度の新規入国実習生数はほぼゼロ名に終わり、当財団の経営基盤に大きな影響を及ぼしています。
一方、22年3月からは規制が段階的に緩和され、母国で入国を待ち続けている実習生のみなさんが順次、入国できるようになり、大きな希望となっています。
2022年度の事業計画と予算は、こうした困難と希望の錯綜した時代に向けて策定されました。事業計画案と予算案は、4月15日に第40回理事会、4月26日に第26回評議員会において、書面決議により承認されました。
事業計画では続々と入国してくる実習生等に対応する受入れ体制の構築と、2年に渡り停滞していた各種国際交流事業の回復等を主眼としています。
予算面では、2年に渡る入国規制にともなう実習生数の減少により受取運営費収入の大幅な減少が見込まれますが、世界でも稀な「鎖国政策」による入国規制は一過性のものであると考えられており、所要の対策を盛り込んでいます。
なお、2022年度の事業推進は上記のように不確実な面が多いため、今後の状況の推移を注視しつつ慎重に進めてまいります。
技能実習情報 掲示板
2022年4月1日より、中小企業の職場の「パワーハラスメント防止措置」が
義務化されます!
(2022年3月31日までは努力義務でした)
中小企業職場におけるセクシュアルハラスメント、妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメント防止対策が強化されることになりました。これには雇用関係にある技能実習生、外国人特定技能者も含まれます。ご自分の企業の役職員が彼らに対してパワーハラスメント等に類する言動を行うことのないよう適切な対応に努める必要があります。
職場におけるパワーハラスメントの定義は以下の全てを満たす行為をいいます。なお客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適切な業務指示や指導は該当しません。
① 優越的な関係を背景とした言動 ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの ③ 労働者の就業環境が害されるもの |
代表的なパワーハラスメントの言動、類型
1.身体的な攻撃(殴打、足蹴り、物を投げつける)
2.精神的な攻撃(人格を否定する言動、性的指向・性自認に関する侮辱、必要以上に長時間にわたる厳しい叱責の繰り返し)
3.人間関係からの切り離し(隔離、仲間外し、無視)
4.過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
5.過小な要求(能力・経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
6.個の侵害(私的なことに過度に立ち入る。病歴など機微な個人情報を当人の了解なしに他人に暴露する)
職場におけるパワハラ防止として講ずべき措置の内容
⑴ 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
イ.職場におけるパワーハラスメントの内容及び職場におけるパワーハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること。
ロ.職場におけるパワーハラスメントに係る言動を行った者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等文書に規定し、労働者に周知・啓発すること。
⑵ 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
イ.相談への対応のための窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること。
ロ.相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。
⑶ 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
イ.事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
ロ.速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと。
ハ.事実が確認できた場合、行為者に対する措置を適正に行うこと。
ニ.再発防止に向けた措置を講ずること。
⑷ 併せて講ずべき措置
イ.相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に周知すること。
ロ.相談をしたこと等を理由として、解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。
※問合せ先:都道府県労働局雇用環境・均等部(室)
地方駐在員だより
将棋を楽しむ
四国駐在 田井 恵美子
三寒四温の季節、やっと桜の開花にほっとしながらも、コロナという感染症がこんなにも長く蔓延するとは想像もできず。実習生達も最大限の感染対策と最小限の外出に疲労気味。あと少し辛抱しましょう。
ある食品会社さんの中国実習生達との将棋講座に参加しました。日頃、スマホ片手にゲームに夢中の彼らも日本の将棋を工場長の指導の下、頭をひねりながら二人組になって指していました。指南書を片手にだんだん慣れてきて、時折笑顔も見せながらひと時を過ごしました。
将棋ブームの昨今ですが、私には会得しがたく最後に工場長と一緒に写真に納まり参加した気分を十分に味わいました。
歳時記
ベトナム 四季はどうでしょう? 春
北部の春がシーズンの最初の冷たい風「冷たい呪文」は無感覚であると反対に、南部の春は涼しい風であり、暖かい日差しが明るく輝いてます。北のファッションは、暖かいセーター、カラフルなスカーフ、質感の良いウールの帽子...と反対に、南では、シンプルなスカート、ダイナミックなスポーツウェア...のファッションが多いです。
北のフラワーマーケットは色あせた桃の花びらのピンク色がいっぱいあると反対に↙︎
↙南のマーケットは咲きたてのアプリコットの黄金色で鮮やかです。桃とアプリコットはベトナム正月の典型的な花です。 ピンクの桃やアプリコットのつぼみが咲いてるのを見ると、春がベトナムのS字型の土地に近づいてることが分かります。
全国のテトの元旦・元日の共通点は、道路が空いてることです。みんなが故郷へ帰省し家族と共にお正月を迎えるので。 料理に関しては、毎年春に南北共にBANH CHUNG(ベトナムの伝統的なちまき)がよく見られます。 毎年、全国には8,000以上の大小の祭りがあり、平均して毎日、全国で30近くの祭りが行われてます。そのうち、革命記念祭りが4%、宗教祭が16%、伝統民俗祭が80%を占め、主に春に開催されています。
【ベトナム送出し機関E社】
一ツ橋
「春闘」成果を外国人労働者、技能実習生へ
春は賃金引上げを中心とした労使交渉「春闘」の時期である。労使交渉は4月末には多くが終結するが中小企業では5月に交渉する職場も少なくない。今年は、企業業績の好調もあり大手企業では満額回答も話題となった。中小企業の処遇改善が注目される。政府も賃金の底上げにエールを送る。
労働者の7割は中小企業で働く。労働者の4割は非正規労働者である。中小・非正規労働者の賃金水準の引き上げは持続的な経済成長に不可欠である。さらに日本の経済・社会の一翼を担っている外国人労働者、技能実習生の処遇改善も重要だ。日本は長期にわたる経済低迷もあり、魅力ある労働市場が色あせてしまった。日本の賃金は先進国の中で22位と低迷している(OECD比較、1人あたり平均賃金)。日本は国際的に「賃金が低い国」となっている。今後さらに低下すれば、人口減少する中で優秀な外国人労働者、技能実習生などを失う。
そのためにも中小企業が賃上げできる環境(企業間の公正な取引(価格転換等))を通じて、賃金引上げ等、「花咲く春」を期待したい。
(シクラメン)