新年のごあいさつ
公益財団法人日中技能者交流センター 理事長 岡島 真砂樹
新年明けましておめでとうございます。
旧年中は、新型コロナウイルス感染が世界的に拡大する中、会員の皆様をはじめ関係各位にひとかたならぬご協力を頂き、ありがとうございました。
当財団は、コロナウイルス感染による出入国の大幅制限を受け、すべての事業分野で活動が停滞し、大変大きな影響を受けました。下期に入り、規制緩和とともに、しだいに実習生が入国できるようになり、ようやく動き出したかとの安堵の思いもつかの間、感染拡大の第三波が到来し、予断を許さない状況が続きます。
今後も「ひととつながる」「ひとをささえる」「ひとをそだてる」をキーワードに、アジアの若き人材育成や相互理解に基づく交流等を通して、各国の発展に寄与してまいる所存です。
本年も関係各位からの信頼を得て、その期待に応えられるよう、役職員一同尽力してまいりますので、皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。
本年が皆様にとりまして健康・安全で、良い年となることを心からご祈念申し上げ、新年にあたってのごあいさつとさせて頂きます。
国際交流服務中心とオンライン会談を実施
コロナ禍長期化へ対応
全世界で続くコロナ禍の影響により、いまだ国際的な人的交流に大きな制約が続いているなか、当財団は初めての試みとして、これまでは相互の訪問を通じて行ってきた中国の提携機関との事業協議を、オンラインによって行うことに決定しました。
11月20日(金)に、試行と事前調整のための会談として、中国人力資源和社会保障部国際交流服務中心との会談を実施しました。
会談は日本側の東京事務所と、中国側の服務中心北京本部をオンラインで結び、成功裏に行われました。
会談では、新井副理事長のあいさつ並びに新規事業に関する提言、鮎澤専務による20年度上半期の事業概要報告、永井常務による特定技能就労者に関するガイダンスが行われました。
中国側からは、呂玉林服務中心主任によるあいさつと提案、東紅処長による説明などが行われ、今回の会談の経験に基づき、他の提携機関との協議実施も視野に、本協議の実施に備えることとなりました。
出席者名簿
■人力資源和社会保障部国際交流服務中心
呂 玉林 主任
東 紅 技能人材交流処 処長
譚 垚 服務中心職員、北京中職能国際経済技術合作有限公司総経理
董 秀珍 北京中職能国際経済技術合作有限公司日本部部長
高 如霞 服務中心職員(通訳)
■日中技能者交流センター
新井 力 副理事長
鮎澤 和之 専務理事
中小路 寛 常務理事・事務局長
永井 秀治 常務理事
楊 賦臻 服務中心駐日総代表(通訳)
東京と北京をオンラインで結んで
20年度初の「監査会議」を開催
コロナ禍における対応と課題、
3年経過した「新法」下の「厳正な監査・訪問指導の徹底」を確認
11月12日~13日の両日、全国の監査担当者が出席し2020年度第1回全国監査会議を開催しました。20年11月で「技能実習生保護に関する法律」(新法)施行後3年が経過し、実習生全員が新法適用者となったことや、新型コロナ感染症下における現状と課題、さらには当面の対応について認識統一を図りました。
厳正な監査・訪問指導の徹底実施を
厳正な監査・訪問指導を最重要施策と位置づけ、取組むとともに、昨今受入れ企業において技能実習生の引き抜きや失踪が発生していることから、普段から実習生への注意喚起を行い、再発防止に向け実習実施者、送出し機関と連携して取組みを強化することとしました。
また、新型コロナ感染症下における技能実習生入国時のPCR検査、14日間の待機、移動時の公共交通機関の不使用、追加費用といった入国時の対応について情報交換を行いました。
あわせて、入管申請では変更・更新申請手続きのオンライン化を今後可能な限り利用することで、手続きの簡素化・迅速化を図ることとしました。
特定技能外国人受入れの基本方針を確認
基本方針の内容は次の通りです。
⑴特定技能外国人の受入れ事業に取り組むに当たっては、少子高齢化や企業ニーズなどを考慮し推進する。
⑵特定技能所属機関は現在の実習生受入れ企業を優先し、実習事業調整委員会で選考する。
⑶受入れ分野は素形材産業、産業機械製造、飲食料品製造、介護など9分野を優先に取り組む。
⑷在籍中の技能実習生、特定技能者に係わる求職・転職対応窓口を設置する。
あいさつする岡島理事長
会議は換気、ソーシャルディスタンスに配慮して行われました
技能実習制度 掲示板
2020年度地域別最低賃金が改定されました。
地域別最低賃金
企業で働くすべての人が対象となります。
発効年月日以降の適用となりますので、この金額を下回らないようご注意願います。
特定(産業別)最低賃金
基幹的労働者を対象として、地域別最低賃金より金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認めるものについて、設定されています。全国で228件(2019年9月1日現在)の最低賃金が定められています。
主に以下のように製造業が中心となっており、地域によって適応される業種が異なりますのでご注意願います。
【厚労省HP「特定最低賃金の全国一覧」を参照】
・鉄鋼業
・電子部品、デバイス、電子回路
・自動車関連業
・機械器具製造業など
2020年度(2019年度)地域別最低賃金改定一覧
地方駐在員だより
21年のテトは、ぜひベトナムで
東北駐在 二階堂 幸治
いつの間にか2020年も12月。あっという間の1年です。
2017年に入国した、30人の実習生は、今年無事3年間の実習期間を終えました。
怪我・病気、さしたるトラブルもなく実習期間を終えた実習生に、担当者として感謝の気持ちしかありません。受入企業の方々も同様だと思います。
しかし、コロナウイルス感染拡大以降、実習生を取り巻く状況は一変しました。
「帰りたくとも帰れない!」どうしようもない難題に、帰国できる時期を待つ者、特定技能で郡山を去っていく者、抱えるものの違いにより、その対応も様々なものとなっています。
個々の思いを聞き取りながら、可能な限りの支援を行うことが、唯一私のできること。実習生と密に連絡を取り合う日々を過ごしています。
21年のテト(旧正月)は、ベトナムで迎えさせてあげたい。切なる願いです。
19年の2月、実習生の寮を訪ねたらテトの御祝をしていました。
左からチャンさん、トゥイさん、クインさん。
トゥイさん、クインさんは20年9月に厚木へ移動、チャンさんは帰国待機中です
テトのおかざりです
歳時記
中国人の「爆買い」は、どうなっている?
新型コロナウイルス感染症の影響で海外に出かけて「爆買い」することはできなくなったが、携帯電話があれば引き続き「世界中のものを買う」ことができる。現在、中国の越境ECは世界でもトップレベルにあり、中国の消費市場と世界との融合を加速させるとともに、中国の消費者がよりスピーディに世界中の商品に触れる機会を作り出している。
今年のダブル11(11月11日のネット通販イベント)には、世界84ヶ国から輸入ブランド2万6000あまりが集結し、このうち2600あまりのブランドは今回がダブル11への初参加になり、中国の消費者に120万種類の新製品を提供したという。日本最大の化粧品クチコミサイトのアットコスメも参戦した。
買い物だけではなく、感染症の流行中に、オンライン教育、オンライン診療、テレワークなど各種の新業態・新モデルが次々に登場して、新しい消費成長スポットを育てた。 (JJ)
「天猫通販」に出店された日本製コスメ商品
一ツ橋
政府は、2050年までに温室効果ガスをゼロにする「カーボンニュートラル・脱炭素社会」の実現を宣言しました。地球温暖化防止の国際ルール「パリ協定」から5年、日本もやっと重い腰を上げました。
目標を掲げたことは一歩前進と言えますが、残念ながら目標達成へのプロセスが見えてきません。「石炭火力発電から再生可能エネルギーへの転換」や「ガソリン車から電気自動車への切り替え」は、避けて通れない課題であり、政府が実行力を発揮して早い時期に実現して欲しいものです。
身近な話としては、生活由来の温室効果ガスがコロナの影響で働き方や生活スタイルが変化して削減につながったと言うことです。
この機にさらに踏み込んで「過剰サービス」や「食品ロス」などの問題も意識しながらシンプルな生活に変えてみるのはいかがでしょうか。次の世代のために「シンプルライフ」を実践していきましょう。 (ka)