2015年度事業報告・決算
2016年度補正予算・新体制を全会一致で承認
―30周年記念事業の一環として、日中友好協力基金規程・取扱細則を確認―
6月9日(木)に開催された第19回理事会では、審議の結果、全議案について承認されました。これを受けて6月24日(金)に開催された第14回評議員会では、評議員・理事の交代・選任はじめ、事業報告、決算並びに補正予算が全会一致で承認されました。また同日開催された第20回臨時理事会では役員及び事務局長が選任されました。
人見理事長が当面の課題について挨拶 ― 骨子
1.2015年度の財務状況が確定しました。2013年度から取り組んできた財政改善3か年計画の最終年度でしたが、所期の目標達成には至りませんでした。引き続き新規事業開拓、会員の拡大に取り組み、持続可能なセンター運営の確立へ向け邁進していきます。
2.現在、国会に上程中の技能実習生関連法案は実習生事業の抜本的改正となりますので、適切に対処していきます。また介護に関する外国人実習生事業については実施に向け準備します。
3.今後、実習生の送り出しの相手国として基盤である中国・ベトナム国に加えその周辺国にも拡大していきます。
4.今年迎えるセンター設立30周年記念事業については、日中協力友好基金の創設などポスト30年に繋がるよう取り組みます。
◆交代された評議員は1名でした。(以下敬称略)
〔新任の評議員〕
丹野 久 日本教職員組合
中央執行委員
〔退任の評議員〕
赤池浩章 日本教職員組合
中央執行委員
◆理事については全員が再任されました(以下敬称略)
代表理事
理事長 人見 一夫 元日本労働組合総連合会 会長代行
副理事長 加藤 良輔 教職員共済生活協同組合 理事長
専務理事
事務局長 新井 力 元日本労働組合総連合会 総合国際局局長
常務理事 中小路 寛 元株式会社 遊学舎
永井 秀治 元全日通労働組合 中央書記次長
山口 茂記 公益財団法人 日中技能者交流センター総合技能交流部統括部長
理事 小松 弘樹 公益財団法人 日中技能者交流センター総合技能交流部新規企業開拓担当
青山 英世 株式会社 リバティ 代表取締役
阿野 豊 全国労働者共済生活協同組合連合会 常務執行役員
五十畑 明 元財団法人 国際研修協力機構 専務理事
塩田 正行 公益財団法人 国際労働財団 事務長
髙倉 明 全日産・一般業種労働組合連合会 会長
難波 淳介 全日本運輸産業労働組合連合会 中央執行委員長
山森 一男 旭東ダイカストグループ 会長
第19回理事会
スキルアップ研修会(江西省南昌)
北京経験交流会(北京市)を開催
4月23日から24日の2日間、当センターと中国国家外国専家局の共催で、江西省外国専家局と江西師範大学の協力を得て、第3回目となる中国人日本語教師スキルアップ研修会を江西師範大学(同大学での実施は2回目)で開催しました。
今回の研修会は、「聴解指導、発音指導、読解指導、敬語指導、日本語表現(日本人の発想・視点)」を主な内容として研修会を実施しました。前回の参加人数を上回る32名(江西省の8大学から参加)の教師が参加し、修了された方から、好評価を頂きました。
また、5月15日には、今年も中国国家外国専家局の全面的な協力のもと、北京経験交流会を開催しました。経験交流会には、中国各地から14名の派遣教師が北京に集まり、今回は特別に、中国でカリスマ的な人気を誇る日本語教師の笈川幸司先生に記念講演を行って頂くとともに、足立泰之さん(白城師範学院)、米村美智子さん(斎魯理工学院)、永井宏昌さん(安徽師範大学皖江学院)による3名の経験報告をもとに、意見交換を行いました。
スキルアップ研修にて 日本語のリズムを体感
北京経験交流会会場
派遣教師からのおたより
河南大学の教壇に立って
河南大学 宮野 治夫
6月になった。このところ毎日、美しい小鳥のさえずりで目を覚ます。2015年9月から河南省開封市にある河南大学旧校区の専家楼に住んでいる。到着3日目の夕方、ここでは珍しいという大雨で単身用の新居が床上浸水したため、今もその避難先であった3LDKの広すぎる部屋で一人暮らしをしている。朝になると、二階にある私の書斎には夏のまぶしい光が差し込んでくる。周囲には梅や桐など様々な樹木が植えられて、花の時期、新緑の季節を経て今は濃い緑に覆われている。
健康維持のため、朝は市場で買い物をしながら散歩するのが日課だ。実は前学期、私は原因不明(恐らくは老化)の第9胸椎圧迫骨折で苦しんだ。学生を通訳に3日間病院に通った。病院事情が知れて面白くもあったが、とにかく痛くて心細かった。だから、今、健康管理には十分に気を遣っている。
中学時代にNHKの番組シルクロードを見て憧れた中国。「あの国へ行ってみたい」が「そこで生活してみたい」になっていった。
2013年3月に当時の仕事を辞め、中国語と日本語教師の勉強を始めてはみたが、はたして本当に中国に行けるのか不安だった。
しかし、今私はこうして河南大学の教壇に立っている。現在、外語学院の2、3年生と、民生学院の2、3年生の計4クラスを担当している。人数の内訳は、外語学院が両学年とも25人弱、民生学院が両学年とも45人弱、計約140人である。担当科目は、2年生が会話と作文、3年生が作文と日本映画鑑賞(前学期は会話)で、週8コマ16時間だ。
当初、教員経験のない私には、教室で起こるだろう全てのことが想像でしかなかった。だが、幸い学生の多くが真面目で純朴であることに救われた。学生たちは経験の浅い私の授業を懸命に聞いてくれる。
ただし、学生の到達度とクラスの人数の差によって、今でもどこにフォーカスした授業をすべきか悩み続けている。試行錯誤の連続で、授業の準備と作文の添削に追われる毎日だ。それでも本当に楽しい。彼らが新しい日本語の表現を理解したときに見せる嬉しそうな顔を見ると、心から喜びを感じるのだ。
今、こうして原稿を書いていると、これまでの出来事が出会った人々の顔とともに思い出される。そして、同時に私を支持してくれた家族への感謝の気持ちも湧いてくる。今学期も残すところあと1か月となった。私は、もう1年ここ開封で日本語教師の仕事を続けることに決めている。中国の多くの若者が日本語を学び、日本をもっと理解してほしいからだ。そして、私も中国とそこに住む人々をもっと理解したいと思うから。
河南大学旧校区の南門
栃木研修所 第1期生が卒業・企業へ!
4月7日・8日の日程で、今年も中国派遣日本語教師研修会が開催されました。会場である当センターには多彩な経歴をもつ15名の参加者が集まり、2日間にわたって、中国赴任に向け授業現場で必要な知識や情報を取得するための研修を行いました。今回の研修会は、センター登録教師である柴野たまのさんから、「日本語を外国語として考える」、「日本語を中国の学生に教えるための授業展開の方法」をテーマにした講義を、公益社団法人国際日本語普及協会の戸田佐和常務理事から、「授業現場での教材(副教材)の活用」をテーマにした講義をそれぞれ行って頂きました。
参加者たちは、同じ志を持つ者同士、親睦を深めながら研磨し、無事15名全員が修了証書を手にすることができました。
日本語教師研修会にて
(手前の列)第1期生の4名
設立30周年記念セレモニーを催します
9月6日、当センターは設立30周年を迎えます。これを記念して14時から1時間ほどセンターが入居する日本教育会館1階ロビーでセレモニーを催します。当日は、日本二胡振興会代表の武楽群さんはじめ3名の中国人奏者の方が、二胡、古筝、琵琶など中国民族楽器の演奏で記念日に花を添え、祝って下さいます。
また、この日は、記念事業として設立を目指してきた「日中友好協力基金」が発足する日でもあり、そのお披露目も行います。参加は自由です。中国民族楽器の美しい音色をお楽しみ下さい。皆さんのご参加をお待ちしています。
武楽群さんと二胡
第5回友の会カフェ開催が決定しました!
「中国民族楽器について話をしよう」
日時:9月6日(火)15時から16時まで
「日中技能者交流センター設立30周年記念セレモニー(14時〜)」後に開催します。
記念セレモニーのミニコンサートで演奏していただきます二胡奏者 武楽群さんを講師に、中国伝統楽器である二胡を中心に、お話をしていただきます。この機会に、中国伝統楽器について見聞を広めてみませんか。
※ 尚、演奏に関しましては、「記念セレモニーのミニコンサート」を14時から行います。こちらも自由にご参加いただけますので、ぜひぜひ、ご参加ください。お待ちしております。