日中技能者交流センター、JCSEC

日中技能者交流センター
ライン

2016年度事業計画で意見交換

中国職工対外交流中心、
国際交流服務中心が来日して協議

 1月18日と25日に、中国側パートナーである中国職工対外交流中心、および中国人力資源和社会保障部国際交流服務中心の代表団が相次いで来日し、2016年度事業計画の諸課題について協議を行いました。
 第1は、センター創立30周年の今年を意義あるものとするため、その第1弾として3月下旬に北京で開催する「日中共同北京シンポジウム」についての具体的な詰めの協議を行いました。
 第2は、外国人技能実習の新規事業開拓、とりわけ外国人技能実習生の介護職種事業開始に向けた準備、実施状況の課題を含めての意見交換を行いました。さらに、現在国会で審議中の新「外国人技能実習制度」法が施行された際への対応について協議しました。
 第3は、「日本の生産管理」の考え方を学ぶ中小企業診断士によるセミナーの今後に向けて、日中での開催方法を協議しました。
 第4は、2016年度の交流日程などが協議され、それぞれに合意形成が図られました。
 協議後には、中国職工対外交流中心協議団は、連合の神津会長への表敬訪問や、高齢者福祉施設である近江ふるさと園の外国人学生の介護状況の視察を行いました。また、国際交流服務中心協議団は、技能実習生の受入企業訪問・視察をして帰国の途につきました。


中国職工対外交流中心協議団(1月18日〜22日)
団長 彭  勇 中国職工対外交流中心 秘書長
団員 趙 中越 中国職工対外交流中心 弁公室主任
査 良青 中国職工対外交流中心 技術交流処処長
張 暁娟 中国職工対外交流中心 港澳台処幹部
李 晶宇 中国職工対外交流中心 技術交流処通訳

中国人力資源和社会保障部国際交流服務中心協議団(1月25日~29日)
団長 梁 志剛 人力資源和社会保障部国際交流服務中心 副主任
団員 東  紅 人力資源和社会保障部国際交流服務中心 処長
陳 起宏 濰坊中濰国際労務有限公司 総経理
李  平 滄州市対外経済技術合作有限公司
総経理弁公室主任
管 慶軍 河南亜欧人力資源服務有限公司 総経理


国際交流服務中心協議団とセンターとの協議
国際交流服務中心協議団とセンターとの協議


近江ふるさと園を訪問した中国職工対外交流中心協議団
近江ふるさと園を訪問した中国職工対外交流中心協議団


30周年記念訪中団の(3月29日から4月2日まで)概要決まる

 センター設立30周年を迎える今年、一連の記念事業の第1弾となる「日中技能者交流センター設立30周年記念訪中代表団」の概要がまとまりました。
 代表団は、当センターの人見理事長を団長に、労働組合の中央組織である連合、その傘下の産業別労働組合、企業別組合、労働関連団体、そして民間企業の代表16名で構成され、3月29日から4月2日まで訪中します。代表団は、北京滞在中、センターの中国側パートナーである中国職工対外交流中心、人社部国際交流服務中心、中国国家外国専家局を訪問し、ポスト30周年に向けた一層の連携と協力のあり方について意見交換を行います。
 訪中の最大のイベントは、3月31日に中華全国総工会・中国職工対外交流中心と共催する日中共同北京シンポジウムです。現在、シンポジウムの成功に向けて両組織間で最後の調整を行っているところです。


日中共同北京シンポジウム

 グローバル化された世界では、国境を越えて国と国との相互依存関係が強まり、地球のどこかの国が経済破綻をすれば、通貨危機や世界同時不況として働く者を襲ってきます。国民経済規模の小さなギリシャでさえ世界に与えたショックは、未だ記憶に新しいものです。いわんや世界第2位の経済大国、中国における最近の経済的不振が世界に与える影響は、日々マスコミを通じて伝えられている通りです。このグローバル化を日中の二国間関係で見たとき、私たち日本人の日常生活の中に、如何に中国が身近にあるか驚かされます。メイドインチャイナはもはや私たちの生活に欠くことができません。このことは、中国においても同様です。最近のはやり言葉、「爆買」は、中国の経済的不振が伝えられる中、今年の春節でも例年と同様で、日本を訪れた中国人観光客が、何台もの炊飯器や温水洗浄便座、数多くの化粧品などを購入する姿や日本食レストランをにぎわしている姿が目撃されています。
 グローバル化の中で世界が相互依存関係を深めるという全体的な状況が一方にあると同時に、私たちの日常生活の中では、日中の二国間関係はより緊密にローカライゼーション(地域化)しています。このことは、日中関係は、他のどの国との関係にも類を見ないほどグローバル化とローカライゼーションの二重構造の下で、互恵的関係にあると言えるでしょう。ここに、双方の国民がその生活と福祉の向上を求めるにあたって、そのベースとして日中間の友好が求められる大きな理由があります。
 日中技能者交流センターと中華全国総工会・中国職工対外交流中心は、こうした特異な様相を見せる日中関係を踏まえて、「グローバル世界の中で日中友好を促進しよう!」の呼び掛けの下、「グローバル化における産業構造の変化と労働者資質の向上」を個別テーマとして、シンポジウムを開催します。私たちの狙いは、グローバル化の中で進む産業構造の変化に焦点を当てることによって、そこから生じる雇用の問題、そしてそのための労働者資質の向上や人材育成の取組について知見を交換する中で、日中双方が直面する課題に共にチャレンジする機会を提供することです。
 シンポジウム当日の記念夕食会には、木寺在中国日本特命全権大使のご臨席を賜り、参加者と懇親を深めることとしています。中国側からは、中華全国総工会・産業別工会、中国外交部、中国科学技術部、中国商務部、中国人力資源和社会保障部、中国人民対外友好協会、中国国家外国専家局の参加が予定されています。
 シンポジウムを記念して、逢見連合事務局長から「グローバル世界の中で日中労働者の友好を促進しよう―連合の立場」(仮題)をテーマに記念講演をいただくことになっています。その後、4つのセッション、「グローバル化における日中友好の促進と展望」、「グローバル化における日中産業の戦略」、「労働者資質の向上と雇用の促進」、「国際協力を強化し、労働者の交流を促進しよう」、を設けてお互いの経験と意見の交換を行います。このシンポジウムは、2016年11月に東京で開催予定のシンポジウム、「日中友好と交流の促進に向けた私たちのビジョン」に連動させることを考えています。
 一連の30周年記念事業は、2016年度センター事業の柱であり、センターが次のステップに向けて踏み出すためにも成功させなければなりません。みなさまのご支援とご協力を心からお願いいたします。

専務理事/事務局長 新井 力


日中技能者交流センター設立30周年記念 訪中団名簿
団構成 氏 名 所 属 ・ 役 職
団長 人見 一夫 公益財団法人日中技能者交流センター理事長
秘書長 新井  力 公益財団法人日中技能者交流センター専務理事
副秘書長 山口 茂記 公益財団法人日中技能者交流センター常務理事
団員 逢見 直人 日本労働組合総連合会(連合)事務局長
難波 淳介 公益財団法人日中技能者交流センター理事
日本労働組合総連合会(連合)副会長
全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)中央執行委員長
南部美智代 日本労働組合総連合会(連合)副事務局長
梅田 伸二 情報産業労働組合連合会(情報労連)組織局長
藤川 伸治 日本教職員組合(日教組)組織労働局長
高橋 壮太 日産自動車労働組合(日産労組)副中央執行委員長
安久津正幸 公益財団法人日中技能者交流センター評議員
一般財団法人全国勤労者福祉・共済振興協会(全労済協会)専務理事
塩田 正行 公益財団法人日中技能者交流センター理事
公益財団法人国際労働財団(JILAF)事務長
花井 圭子 公益財団法人日中技能者交流センター評議員
労働者福祉中央協議会(中央労福協)事務局長
杉山 龍雄 日本通運株式会社執行役員・東アジアブロック地域統括
香港日本通運株式会社取締役会長
日通国際物流(中国)有限公司董事長
山森 一男 公益財団法人日中技能者交流センター理事
旭東ダイカストグループ会長
林  俊孝 日本労働組合総連合会(連合)総合国際局部長
事務局 斉藤 俊和 公益財団法人日中技能者交流センター総合技能交流部員

(注)この名簿の所属・役職は2016年3月29日以降の予定を含む。


コラム・一ツ橋

寒気団と熱き心

 ベトナムは常夏の国、なんて勝手に思い込んでいた私が愚かでした。
 ベトナム北部ハノイには四季がある、冬は寒い、そのうえ日本から東南アジアをおおった大寒波(沖縄に降雪)の直撃を受け、飛行機から降り立ったとたん凍えるような雨空が。ベトナム名物バイクの大集団も雨ガッパに包まれ、心なしか元気がない。実習生送り出し機関の事務所では、室内だというのにみんな丸々と着ぶくれて、凍えていました。40年ぶりの大寒波。
 来日した実習生たちに「日本の冬は寒いから健康に気をつけて」と訓示していた自分がカゼをひきそうです。でも面会した日本語勉強中の実習生たちは、もっと寒い日本なのに、入国する日を楽しみに、陽気に授業を受けていました。日本では、君たちが来るのをたくさんの人たちが楽しみに待っている。限られた時間だけれど、少しでも日本語を上達して、ベトナムの元気を蓄えて。帰国の翌日に企業配属となる実習生たちへの差入れをと、ハノイのスーパーで即席フォーやホットスープの素を買い求め、北へ3600キロ、帰り着いた成田の空気は…どうも飛行機に寒気団がついてきたようです…。がんばれ、実習生! 熱き心で日本の寒さも吹き飛ばせ! でも体調管理も仕事のうちだからね。

(中)


ベトナムの実習生たち



派遣教師からのおたより

日本語教師体験

吉林省 白城師範学院 足立 泰之

 57歳まで勤めた電機メーカーで、世話焼きで陽気な韓国人、几帳面でまじめすぎるドイツ人、人の要望に応えようと努力するアイルランド人、そして人の気持ちに寄り添うようなギリシャ人たちと一緒に仕事をする機会がありました。
 それぞれの国により、何か共通する印象がありました。
 そして、今、中国の学生約80名(1年・2年・3年の3クラス)と一緒にすごしています。
 この中国の人達に適する、上記のような一言で表す枕詞は全く見当たりませんでした。
 全員が全く違う個性を持ち、共通する個性がない国民のような気がしていました。
 学生たちは朝9時から夕方17時半まで授業です。
 そして、ここ吉林省白城は省都長春まで1日4本の汽車で5時間半、半径300kmに他大学なし(よって学園祭はないし、クラブ活動で他大学との試合もなし)、バイト先もほとんどなく、遊び場はゲームセンターと3軒の映画館ぐらいしかありません。
 しかも、他大学に派遣された日中技能者交流センターの同期のメールを見ていると、明らかにこの大学の日本語レベルは低いのです。
 どうやって、楽しくそしていろいろな疑似体験を通して、日本語を教えていけばよいのか考えていたある日、スーパーでかかっている音楽がAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」であり、負けないこと、投げ出さないことの「それが大事」だと気づいたのです。
 そしてもうひとつ、同期の講師が教えてくれた映画のサイトから、青春ものの映画をダウンロードし、セリフと歌詞を日本語で書きだし、3人一組で全員が1分程度のセリフをまねる練習をしました。
 もちろん、通常の教科書を使用する授業も行いましたが、私が配った歌詞を一番上において、早く「それが大事」を歌おう、次の映画は小栗旬主演にしてください、なんて授業になってしまいました。
 12月最後の授業の日、2年生には「来年来るときは1週間、上(カミ)さんも一緒に来ます。」と挨拶したら「わー!」と大喜び。
 理由は日本人の上(カミ)さんが作るおいしい料理を食べられると考えたのです。
 1年生には、「私の中国語のレベルが低すぎて、わかりにくい授業だったかもしれません、私も来年はもう少し中国語を勉強して、わかりやすく教えていきたいです。」とつたない中国語で伝えると、みんなが拍手しています。
 3年生には、「君たちのおかげで、なんとか生活でき、4カ月間過ごすことができました、ありがとうございました。」と日本語で伝えると、「こちらこそ、ありがとうございました。」と言いながら、全員が頭を下げていました。
 えっ、こんな共通の反応が返って来るとは、思ってもみませんでした。
 学生の熱意、興味、好奇心にささえられて授業を継続できました。
 2月末、上(カミ)さんと一緒にまた、白城に行きます。
 寒さに驚きを感じたマイナス20度の12月から一転、日に日に暖かくなる白城に期待しながら、そして、学生たちとの日々を楽しみにしながら、授業の準備を始めている今日この頃です。


けっこう真面目に働く、雪かきをする学生
けっこう真面目に働く、雪かきをする学生


夢追い人の合唱 2年生
夢追い人の合唱 2年生


四国支所からの便り

乾杯、2016

 この写真に写っている技能実習生達は、中国国内でも日本に入国してからもお互いに同じ会社の同僚です。というのも、彼女たちは皆ある日本企業の中国現地法人の職員なのです。ただ“職員”というより、仕事現場で相当経験を積んだ“中堅職員”と言っても過言ではありません。
 日本の親会社に来て、勉強したり研修したり、また実習したりして、技能の面でも日本語の面でもレベルアップして、もっと優秀な職員に育つことが彼女たちの来日の目的です。
 下関国際フェリーターミナルでの、入国組の後輩と帰国組の先輩、同僚友人同士の熱烈な再会そして別れの場面は人々を感動させていました。
 2016年に入って帰国日が近づいた先輩たちは、故郷の美味しい郷土料理を作って、会社の指導幹部と後輩たちと新年会を行い、残り少なく、かつ忘れがたい日本での生活を味わいました。


空港での再会と別れ
空港での再会と別れ


乾杯、2016
乾杯、2016



「日中技能者交流ニュース」 編集方針

1.発行の目的

 「日中技能者交流ニュース」は、当センターが発行する機関紙で、会員、関係者、中国や周辺諸国(以下「中国等」という)に関心のある方々に広く情報の提供を行うことにより、当センターの目的・事業の理解を深めてもらうために発行する。

2.編集方針

 本ニュースはセンター活動に関わる報告記事、及び中国等に関する広い分野に渡る有益な情報(論文、資料等を含む)を編集、掲載する。編集対象とする原稿は、当センターニュース広報委員会が決定する。
 企画、編集に当たっては次の点に留意する。

  1. 執筆者に本ニュースの趣旨を理解してもらうこと。
  2. 当センター内外に広く執筆者を求め、会員等に役立つ記事の掲載に努めること。このため、署名入り記事については、必ずしもセンターの見解を代表するものとは限らない旨周知すること。
  3. タイムリーな記事の掲載に努めること。
  4. バランスのとれたテーマの選定に努めること。
  5. 次に該当する原稿は掲載しないこと。
    ①発行の目的に反する原稿
    ②他国・他人を中傷・誹謗するような記述のある原稿
    ③著しく不正確、未確認な事項に係る記述のある原稿
    ④品位を損ねる記述のある原稿



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