中国側対応機関の事前協議団が訪日
事業の適切な運用といっそうの拡大に向けて
2014年度の当センター事業計画を協議するため、中国側の対応機関である「中国職工対外交流中心」(総工会)と「国際交流服務中心」(人社部)の代表団が来日しました。
とくに技能実習生に関する事業計画については、当センターと両機関との間で、14年度の最大のテーマである「安定した実習生の派遣・受入れ」施策について、率直な意見交換がされました。
また、中国職工対外交流中心の彭勇秘書長は、昨年8月に就任して以来、初の訪日となったので、四国地方の受入れ企業を訪れると共に、連合などの関係団体を表敬訪問しました。
国際交流服務中心代表団には、濰坊、武漢、上海の地元送り出し機関責任者が同行し、岐阜支所などを訪問しました。
中国職工対外交流中心 訪日団
【団員】彭勇秘書長、毛孟輝処長、趙中越主任、宋秀菊副訳審、冀永宏幹部
【日程】1月14日 羽田空港入国、センターとの業務会談、連合等関係団体訪問の後、香川・愛媛県に移動し、所在の受入れ企業を訪問、担当者との意見交換、実習生を指導激励。18日 羽田空港より帰国
センター本部における中国職工対外交流中心代表団との業務会談
実習生を激励する中国職工対外交流中心の彭勇秘書長
国際交流服務中心 訪日団
【団員】※国際交流服務中心:梁志剛副主任、東紅処長、候瑞方副処長。※地方送り出し機関責任者:姜玲董事長(濰坊)、黄紅梅総経理(武漢)、王選慶総経理(上海)
【日程】1月20日 関西空港入国、岐阜支所と岐阜研修所を訪問後、東京に移動してセンター本部で業務会談等を行い、24日に羽田空港から帰国。
岐阜支所で会談する国際交流服務中心代表団
岐阜研修所を訪問する濰坊公司の姜玲董事長
四国支所からのたより
ようこそ、新居浜の新市民
1月6日(月)、日本の官公庁や多くの企業は、仕事初めだったことでしょう。
その日、新居浜市は、新しい中国人女性市民を10名迎えました。彼女たちは、新居浜市にある企業が、今年に入って受入れた中国人技能実習生です。
朝8時、企業がチャーターしたマイクロバスで当センター岐阜研修所を出発、途中瀬戸大橋を渡り、技能実習先企業のある愛媛県新居浜市に到着しました。彼女たちが新居浜市に着いてからの初めての「仕事」は、住民票の転入手続きです。新居浜市役所職員の指導のもと、彼女たちは真剣な面持ちで旅券と在留カードを提出し、転入申請の手続きを行いました。しばらくして、窓口にて旅券と転入手続き済みの在留カード、外国新市民へのガイドブックを手渡されると、ほっとして嬉しそうな表情を見せていました。
さあ、今日から新居浜市民としての実習生活のスタートです。
市役所での手続きを終え、今日から晴れて新居浜市民
派遣教師からのおたより
日本人・中国人の相互理解を、「言語表現の違い」から考え合う授業
閩江学院外国語学部日本語学科 寺坂 義彦
福建省の省都である福州市にある公立(省・市)閩江学院の本部キャンパスは、広大な自然公園のような敷地内に、建物が点在している美しい大学です。ここに、約2万人の学生が在籍します。
私の住む外国人教員用の宿舎からは、市内バスで1時間以上かかるので、通勤が大変です。宿舎の教員は一人だけという暮らしは、中国語がほとんどできないだけに、赴任当初の2か月間は、時には不安と強烈な孤独感にも見舞われることもありました。11月頃から、学生たちや同僚の中国人教員との交流が少し深まってきて、生活面や授業でいろいろと助けてもらうことなどが、ようやく気軽にでき始めるようになりました。
前期(1学期)の授業は、3年生の「総合日語5」と1年生の「総合日語1」を週に16コマ(45分×16コマ)担当しました。私は、「日本語とは何か。他の言語と何が大きく違うのか。」という現代日本語成立の歴史文化的・風土地理的・社会的背景にとても興味・関心を持ち、大学院修士論文では、「日本語の会話能力と助詞の習得の関連性」の研究に取り組みました。
3年生の「総合日語5」の学習内容には、「謝罪・非難・感謝表現」「配慮表現(敬語など)」「接客表現」「授受表現」「家族の呼称表現」など、日本語の特徴が顕著に表れる言語表現が多く扱われています。授業準備のために、これらに関する日中双方の研究者の論文などを何編か読み、日中の言語表現や心情の比較などを整理しながら、授業を進めてきました。
例えば「謝罪表現」に関する授業では、まず、日本語における「謝罪表現」全般とその社会・歴史・文化的背景を説明し、次に中国語の「謝罪表現」について説明した後、学生達と「討論・話し合い」をし、「日中双方の謝罪表現の違いや共通性」を深め合っています。その上で、教科書の問題を考え合い、会話練習をするというスタイルで授業を進めてきました。このような授業を通じて、私自身の中国人理解も、学生達の意見や説明から教えられることも多く、実際の中国人理解が進み始めました。
日中関係の政治的緊張がある中、両国のテレビなどの放映によって影響を受ける日本人観や中国人観を、「言語表現の違い」から考え合い、日本人と中国人の相互理解を進めるための授業づくりは、特に重要だと考えています。
1年生の「総合日語1」については、私自身中国語がほとんどできないことを補うため、授業準備に膨大な時間を要しました。1学期(前期)が終了するころから、簡単な日本語での会話が学生達とできるようになり授業でのコミュニケーションができ始めました。2学期(後期)で学生達の日本語能力がどこまで成長するか楽しみです。
熱心に授業に取り組む学生たち
閩江学院本部キャンパス